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雲住寺 円形多層 石塔

雲住寺 円形多層 石塔
  • 指定番号 : 宝物 第798号 (1984. 11. 26)
  • 規模 : 高さ 5.58m
  • 年代 : 高麗時代
  • 所在地
  • 住所 全南 和順郡 道岩面 龍江里 43

石造仏龕の北の方向にある塔であり、韓国の石塔で特異な形を見せる貴重な遺構である。 この石塔は地台石、基壇部から塔身部の塔身と屋蓋石に至るまですべて円形をなしている。しかし基壇重石だけは10角だが、この10角も円に近いため、この石塔の名称を円形多層石塔と称した。 この石塔の構成石材は、地台石が1石で、基壇中石が5枚石でなりたち、基壇甲石と塔身部の塔身および屋蓋石はすべて1石ずつで造成された。 この石塔の構成は円形の地台石の上にかなり高い円形グェイムを各出し、5枚の石材で10角の基壇重石を受けてその上に覆石を置いたが、覆石の下面と側面には、仰形の蓮花の模様を薄く彫った。覆石の上面には平たく、大した設備なく塔身部を受けている。 1,2,3層は塔身を3等分して、2個の水平線が回されて、4,5,6層は1線が水平に描かれている。各層の円形屋蓋石は上層部に上がっていくに従って、なだやかに逓減され、まるで塔婆の相輪と同じ姿を見せている。屋蓋石において、初層屋蓋の下面には、2個の線が円形に薄く掘られているが、2層以上は1個の線だけである。この線は新羅系の塔での水切り溝のように掘られており、比較できる。 この石塔は塔の構成や全体的な形において異色的なもので、高麗時代に至って多く現れた特異形の石塔でもその首位に置くべきもので、やはり高麗的な特性をよく表している由来だといえる。基壇覆石は上面が平たく、側面が弧形をなしているのに対し、屋蓋石などは正反対で、下面が平たく、側面に達しながら弧形をなす。これは上下の調和と安定感を与えさせた造形の章なのか、あるいは状態が変わったものなのか分からない。 しかし万が一覆石のように屋蓋石なども上面が平たく置かれたとしたら、上下の調和が全く取られなかったであろうし、従って、安定感も与えなかっただろうと思われる。現在6層まで残っており、その上の層の部材がないのに、果たして何層がもっとあったのか分からない。 この塔を相輪の形態と比較し話を多くするが、屋蓋石の大きさと形態で差があることも認めるべきだろう。常識的に屋蓋石の幅とともに屋蓋石の厚さも減少するべきだろうが、2,3層の屋蓋石が1層の屋蓋石の幅より厚く、このような部分では調和をなせないでいる。 元来この塔は地方有形文化財に指定されていた後、1984年に宝物に昇格された。